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「ノルウェー式トレーニングの神髄」を読んで

 突然ですが、あなたはノルウェー式トレーニングという言葉を聞いたり、実際に取り組まれたことはありますでしょうか?

 

 ノルウェー式とか北欧式と聞くと、マリウス・バッケン氏が提唱したダブル閾値トレーニングを思い浮かべられるかと思います。また、実際に自分のトレーニングに応用されている方もいらっしゃるかと思います。

 

 そんな中で、弊社代表の池上が海外の方に向けて、中強度走について情報発信すると、「それはノルウェー式トレーニングのことか?」という質問が相次いだようです。

 

 池上は素直に「ノルウェー式トレーニングについては知らないから答えられない」とずっと答えていたようですが、あまりにも同様の質問が重なったので、自分で勉強してみることにしたようです。

 

 そこでマリウス・バッケン氏の著書を読み勉強していき、本質的な部分をまとめた「ノルウェー式トレーニングの神髄」というブログ記事が先日公開されました。

 

 ノルウェー式といえば、1日に2回閾値走をするダブルスレッショルドのイメージだという方とかであれば、もっと本質的な部分を知れて参考になると思いますので是非このまま読み進めていただけたらと思います。

 

 また、この記事を読んでいただくことで、普段からされている中強度走とかの意味合いももっと深く理解できるかと思います。

 

・マリウス・バッケン氏とは?

 

 マリウス・バッケン氏は、1978年生まれで、ノルウェー出身です。現在は医師として勤務されております。

 

 長距離選手としてシドニー、アテネ五輪出場そして世界選手権には3度出場されております。

 

 5000mの自己ベスト13分6秒39は、2019年にヤコブ・インゲブリクトセンに破られるまでノルウェー記録として保持されておりました。

 

・ノルウェー式トレーニングの基本的考え方「回復に時間がかかり、練習効果が負荷の割には小さい超高強度練習を低頻度で実施するよりも、効果的で素早く回復出来る練習を高頻度で実施した方が練習効果が高い」

 

 ノルウェー式といえば、1日2回の閾値走が有名でありますが、そもそも何故2回するのか?いや、2回に分けるのか。

 

 トレーニングの具体的なやり方等については、様々なネット記事に書いてるので割愛させていただきますが、ノルウェー式のこの基本的な考え方としては、「回復に時間がかかり、練習効果が負荷の割には小さい超高強度練習を低頻度で実施するよりも、効果的で素早く回復出来る練習を高頻度で実施した方が練習効果が高い」というところにあります。

 

 一回で読んだだけでは理解しにくいかもしれませんが、ゆっくりと2回、3回と読み直してみてください。

 

 これはブログ記事内でも池上が言っていることですが、池上が言っているトレーニングに対する考え方とかなり一致しております。

 

 具体的に言うと、ポイント練習を限界まで追い込むような負荷で実施し、翌日疲れすぎてしまって、回復に時間がかかってしまうよりも、素早く回復できる範囲内のトレーニング、つまり中強度走を中心にトレーニングを組んだ方がトレーニング効果としては全体で見た時に高くなるということです。

 

 マリウス・バッケン氏の時代は、レースペースでやらないと意味がない。いわゆるレースペースより遅い中強度走ぐらいの練習は意味がないと言われていたとも書かれている記事もありました。

 

 バッケン氏はそういった背景からも、レースペース付近で追い込む練習するよりも、強度を落として自分が充分に回復できる範囲内のトレーニングを継続する方が良いのではということを膨大な実験を通じていきついたようです。

 

・黄金ゾーン

 

 バッケン氏は、「トレーニングの黄金ゾーンはだいたい血中乳酸濃度が2.3ミリモルから3.0ミリモルにある」と主張するのですが、この数字は中強度走の上限よりも1㎞あたりだいたい10秒ほど速いペースです。

 

 ちなみに、池上が基礎構築期における中強度走はやや積極的にペースを上げても良いと色々なところで述べていますが、そうすると、だいたいこの黄金ゾーンに入ります。理想は、基礎構築期に積極的に中強度走のペースを速めるように努め、基礎構築期が終わる頃には、本当にそのペースが完全に中強度走、つまり血中乳酸濃度が2.0ミリモルあるいはそれ以下になっているのが望ましいです。

 

 私自身はリディア―ドのマラソンコンディショニングトレーニングを参考に基礎構築期を取り組んだりしておりますが、基本的に「長くゆっくり」(低強度走)と「短く速く」(中強度走)を繰り返します。

 

 つまり、上記のように中強度走のペースをちょっと超えることがあっても、翌日は低強度走なのでしっかりと回復させることができ、トレーニング全体で見た時も上手くいきやすいです。

 

 ただし、池上は彼の主張する黄金ゾーンにはあまり意味がないとおっしゃっておりました。それは、有効な目安であることに変わりはないが、そこに拘泥する正当な根拠はないとおっしゃっております。


 それよりも重要なことは一回に強い負荷を体にかけて、回復に時間がかかるよりも、効果的ではあるが高頻度で反復出来る練習、それを積み重ねることの方が効果的であるという部分です。

 

・中強度走との違い

 

 ここで中強度走との違いについて改めて解説させていただきます。中強度走の定義上は、呼吸が全く乱れない最も速いペースであるため、生理学的には換気性閾値を超えることはありません。

 

 バッケン氏のいう黄金ゾーンは、血中乳酸濃度から見ると、換気性閾値を少し超えるペース帯であります。なので、中強度走から+10秒ほど速いペースということになります。

 

 LT1を超えLT2の範囲内といった説明や、血中乳酸濃度が優位に上昇しはじめるポイント(LT1)から血中乳酸濃度が指数関数的に上昇しはじめるポイント(LT2)といったところになります。

 

・マラソナーにとっては中強度走の方が良い理由

 

 このブログ記事をお読みいただいている方は、マラソンをメインにされている市民ランナーさんがほとんどだと思います。

 

 気になるのが、バッケン氏は、インターバルという形でされていますが、中強度の持久走とどちらがいいのだろうと悩まれたりしないでしょうか。

 

 これに関しては、記事内で池上が解説しているのですが、「マリウス・バッケンと私の考え方の最大の相違は彼は基本的にはインターバルを用いて、血中乳酸濃度2.3-3.0ミリモルの強度の練習を作るのに対し、私はインターバルは原則として週に1回しか使わないことです。ただし、これは彼が五千米の走者であり、私は自身の主戦場もマラソン、指導している市民ランナーさんもほとんど全員マラソンランナーという違いからくるものです。」と記載されております。

 

 これはどういうことかと言いますと、マラソンレースペースと中距離のレースペースの違いからくるものだとおっしゃっております。

 

 中距離のトレーニングだと、レースペースが速いので、ファルトレクを入れてより速いペースで走るとおっしゃっておりました。ただ、基本的な考え方は同じで、その場合においても出来れば負荷が中強度走と近しくなるような練習を設定するとのことです。

 

 ペースはある程度速いですが(中強度走より速い)、休息時間を長くしたり、あるいは速いといってもかなり余裕が持てるような強度にしたり、なるべく負荷そのものは中強度中量に近づくように設定するとのことです。

 

 つまり、マラソナーやハーフマラソナーはインターバルではなく、持久走で中強度走か中強度から高強度走あたりを基礎構築期に入れるのが良く、これが基本の考えだということです。

 

 考え方としては、最終的にはレースペースの90%から105%付近のトレーニング量を増やしていくことがトレーニングのゴールであるとすると、基礎構築期の段階から中距離ランナーであれば中強度の持久走という形だと、レースペースから離れすぎてしまうので、ファルトレクやインターバルという形で分割しペースを速くし、その代わり休息を設けることで乳酸を除去して、中強度に近づける考え方だということであります。

 

 マラソナーやハーフマラソナーはそこまでレースペースが速くないので、中強度の持久走で90%に近いペース帯で走れることから、ファルトレクやインターバルに分割せずに持久走として行うという考えです。

 

・ウェルビーイング式「効果的で素早く回復できる高頻度練習の原則:中強度中量高頻度」

 

 それでは、ノルウェー式もウェルビーイング式も、トレーニングの考え方としては、「回復に時間がかかり、練習効果が負荷の割には小さい超高強度練習を低頻度で実施するよりも、効果的で素早く回復出来る練習を高頻度で実施した方が練習効果が高い」ということを基本としています。

 

 その方法論として、ノルウェー式では、黄金ゾーンのペース帯の練習量を増やすために、ダブル閾値という手法で練習量を増やしていきました。

 

 ウェルビーイング式では、効果的で素早く回復出来る練習を高頻度で実施する方法論として、中強度・中量・高頻度の考えでトレーニングを組んでいきます。

 

 効果的というのは、かけた労力に対して見返りが高いということで費用対効果の高いトレーニングということでもあります。さらに、素早く回復出来る練習を高頻度でやろうと思ったら中強度のトレーニングを中心に組まなければ高頻度で実施できません。

 

 中強度というのは、トレーニング刺激でいうと強すぎず弱すぎないということです。

トレーニング刺激が強すぎると不適応を起こしてしまいますし、逆にトレーニング刺激が弱すぎると、適応はしますが、走力の向上、更なる成長という観点から見ると、刺激が弱すぎると効果的なトレーニングということは難しいです。

 

 また高強度なトレーニングを頻繁に入れると、それ以外の日が軽めの練習ということになり、高強度な日か軽めの日という2極化しやすくなってしまいます。

 

 なので、高強度なトレーニングについては、基礎構築期ではショートファルトレクやショートインターバルを週に1回に留め、他は中強度の持久走を中心に組むことで、他の日も軽めの練習であっても、刺激が弱すぎない強度である程度行うことができ(要は完全休養か軽めのジョギングではなく低強度走ができる)、1週間全体で見た時、また基礎構築期という期間全体で見た時に、費用対効果の高いトレーニング、効果的なトレーニングをより多くできるということになります。

 

 ダブル閾値、中強度走と手段は異なりますが、どちらもトレーニングの目的としては、「効果的で素早く回復出来る練習を高頻度で実施する」ということです。

 

 参考になれば幸いです。

 

それでは最後にもっと長距離走・マラソンが速くなる方法について知りたいという方にお知らせです。

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参照

コメント


筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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ウェルビーイング株式会社

〒612-8491
京都市伏見区久我石原町2-25フレイグランス久我102

電話番号:080-6125-8417

​ペット:レオ(荒獅子)
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