長距離走・マラソンが速くなるために、まず練習頻度を増やすことに取り組んでほしい理由
- 榮井悠祐

- 4月20日
- 読了時間: 12分

突然ですが、あなたは長距離走・マラソンが速くなる為には、何が一番重要かご存知でしょうか?
長距離走・マラソンで結果を出そうと思ったら高強度インターバルのようなトレーニングもできないといけないですし、それができるようになるための基礎練習も重要です。練習は質も量もどちらのレベルも上げていかないと結果というのは出せません。
そんな中でもまずは何といっても練習頻度を増やすということから始めないと長距離走・マラソンが速くなるのは難しいです。
また練習頻度を増やすと言われると、自分にはそんなに練習ができないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ練習頻度を増やすとなると、1回1回の練習はそこまで追い込むことはできないので練習自体はキツくないですし、走る頻度を増やしていくと体も慣れてきて、また日常生活のルーティンにもなり歯を磨く感覚と一緒で、走ること自体が日常生活の一部になり走ることが習慣となるので、無理なく走力を向上させていくことができるんです。
そうはいってもやっぱり速くなる為には追い込む練習をたくさんやらないと速くならないんじゃないか?といった疑問も当然残ってくると思いますので、今から練習頻度を増やすことがなぜ重要なのかを解説していきたいと思います。
1 なぜ練習頻度を増やせば速くなるのか
まずは練習頻度という言葉の定義について、解説させていただきます。
練習頻度とは、週に何回走るかという定義をさせていただきます。例えば、週に3回走る人、週に7回走る人、また2部練習とかで週に14回走る人といった意味です。
なぜ練習頻度を増やすことが大切なのかということですが、人間というのは、刺激を繰り返し与えているとそれに適応するようにできているからなんです。
野球という刺激をずっとかけていたら、野球が上手くなりますし、サッカーもバスケもテニスもゴルフも・・・・同じことが言えます。
またスポーツだけでなく、日常生活でも同じことが言えます。
例えば、お箸は最初誰も使えませんが、毎日毎日使っているとお箸が使えるようになりますし、日本語も最初誰も話せませんが、繰り返し話していると話せるようになってきます。
つまり、野球という刺激、お箸を使うという刺激、日本語を話すという刺激を体にかけていると、それに身体が適応して、野球が上手くなる、お箸が使えるようになる、日本語が話せるようになるんですね。
長距離走・マラソンも全く同じで、走るという刺激を与えると、体は適応し走れるようになっていくわけです。走るというトレーニング刺激を体に与えることで、体は走れるようになっていきます。
ここで重要なのが、野球、お箸、日本語そして走ることも、繰り返し刺激を与えてあげる方が、適応しやすいのです。
特に長距離走・マラソンのような持久力は、つきにくく落ちやすい特性があります。マラソントレーニングをされていてイメージしやすいかと思うのですが、3日休んだだけで、持久力が落ちているといった経験もあるかと思います。
繰り返しになりますが、まずは週に何回走れるかといった練習頻度を増やすことは長距離走・マラソンが速くなる為には避けて通れないといいますか、逆に練習頻度さえ無理なく増やしていくことができれば、それだけで最初のうちは走力というのは向上していくものです。
2 頻度を増やそうと思ったら刺激が強すぎてはできない
当然ですが、刺激(トレーニング負荷)が強すぎると練習頻度を増やすのは難しいです。
練習頻度を増やそうと思ったら、次の日にはある程度、体は回復している必要があります。また後述する内容でもありますが、自分が毎日できるトレーニング刺激を中心に組んでいかないと練習頻度を増やすことは難しいです。
練習頻度が多いということは、それだけ日常生活の一部になるということ、習慣になるということです。毎日歯を磨くという行為が、そこまで刺激が強くないので毎日できるし、習慣になっているのです。これが、毎回気合をいれないといけないぐらいの集中力や体力がいるのであれば、毎日歯を磨くのは難しいですよね。
つまり、練習頻度を増やそうと思うと、自分が毎日できるようなトレーニング刺激を中心に練習を組んでいく必要があるということです。
そして刺激が強すぎると、体はその刺激に対して適応せずに、不適応を起こしてしまうこともあります。
どういうことかというと、お仕事をフルタイムでされている方が多いかと思うのですが、毎日9時から18時までお仕事とかであれば、その刺激は強すぎず、仕事終わりは当然疲れはしますが、1日寝たら回復してまた翌日お仕事いけますよね。
ただ、仕事のトラブルや重要なプロジェクトとかで、1日だけであれば問題ないですが、数週間、数か月と仕事の刺激(負荷)が強すぎて、始発と終電を繰り返すようなことになれば、いつか体はその刺激に対して、適応できず不適応という形で倒れてしまいますよね。
また上司からの指導とかでも、いきすぎた指導、パワハラや暴言とかが繰り返されると、その指導という刺激が強すぎて、適応せず、不適応という形で鬱とかになってしまいます。
長距離走・マラソンも全く同じことが言えるのですが、例えば、1000m×10本という高強度インターバルを毎日やることを想定してみてください。疾走区間は自分が追い込めるだけ全力で走ってくださいと言われると、遅かれ早かれオーバートレーニングや故障といった不適応を起こすことイメージできますよね。(そもそも毎日できないですが・・)
ここまでは極端な例でしたが、長距離走・マラソンだけではなく、体にかける刺激というのは、強すぎてはいけないですし、強すぎると刺激を与える頻度を増やすことができないというお話でした。
3 長距離走・マラソントレーニングにおける練習頻度の考え方
まずはどうしたら練習頻度を増やせるのかということですが、先述のとおり毎日できるぐらいのトレーニング刺激を中心に組んでいくということです。
例えば、あなたが10kmを5分00秒ペースなら毎日走れる刺激ということであれば、この練習を中心に組んでください。
また練習頻度はどれぐらいがいいのかという疑問についてですが、週に4回は練習頻度としてほしいです。また週に4回というのは、2日以上休む日が続かないようにしてほしいからなのです。冒頭でもお話しましたが、長距離走・マラソンの持久力というのはつきにくく落ちやすい特性があるからです。極端な例としては、月、水、金、日走って、火、木、土休むといったことです。
このようにまずは自分のライフスタイルから逆算して、走れる頻度を増やすことに意識して取り組んでいただきたいと思います。
4 刺激の強さについて
次にその刺激のかけ方なのですが、先ほど刺激は強すぎては適応せず、不適応を起こしてしまい、また練習頻度の観点から見ても刺激が強すぎると翌日のトレーニングに影響して練習頻度を増やすことができないとお伝えさせていただきました。
刺激は強すぎてはいけですが、しかし強くなろうと思うと刺激の強さというのは徐々に増やしていかないといけないです。
どういうことかといいますと、先述のとおり刺激が強すぎると体は適応しないです。しかし、その刺激も徐々に強めていかないと、つまりトレーニング刺激も徐々に強めてあげないと走力の向上はしていかないということです。
この「徐々に」というのが非常に重要になってきます。
私は子どものソフトボールの指導者をしているのですが、4月からソフトボールしている子たちは、5月、6月となっても暑さに徐々に慣れていき、7月8月のような炎天下、異常気象といわれるような状況でも、しっかりと体を冷やしたり休憩を挟めば練習できました。
しかし、6月頃に今までソフトボールしたことがない子、ほとんど自宅で過ごしていた子が急に体験会に来てソフトボールをすると、ウォーミングアップとキャッチボールの段階で熱中症になりかけ休憩させないといけない状態になりました。
このように人間というのは、急に暑さという強い刺激を受けると熱中症という不適応をおこしてしまいました。しかし、4月から徐々に暑さという刺激に慣れてきている子たちは、7月8月でもしっかりとソフトボールの練習ができました。
これは長距離走・マラソンにおいても全く同じで、今までランニングをしたことがない人が、いきなり20km走ると故障とか不適応を起こすことになります。1週間ぐらいは筋肉痛などでトレーニングできないことは走られている皆さんは想像できるかと思います。
それが、毎日自分の走れる範囲のトレーニングを継続していると、20km走れるのも人によって期間はそれぞれかかりますが20km走るという刺激に対して適応していきます。
例えばあなたが毎日8km走れるぐらいの体力があれば、この8kmを中心に練習を組んでいき、徐々に刺激を強めていき走れる距離を8kmから10kmそして12km、15km・・・・・と増やしていくことができれば、体は不適応をおこさずに適応していきます。もちろんそこに走るスピード、ペースという要素も考え毎日できる練習を中心に組んでいく必要があります。
逆に刺激が弱すぎるとということについてですが、サブ3達成している人が、毎日3kmを6分ペースでトレーニングをしていても、次のレベルのサブエガには到達できないことは考えなくても分かることかと思います。
何もやらないよりはマシかもしれないですが、走力の向上ということを考えると、トレーニング刺激が強すぎるといけないことに加えて、弱すぎるのもいけないということです。
このようにあなたが毎日できる練習の強度、刺激の強さというのを徐々に増やしていくことができれば練習頻度は維持したまま、普段からできる練習のレベルというのを上げることができるので当然走力は向上してきます。
5 2部練習について
市民ランナーの皆さんにとって、2部練習を取り入れられる環境である方とそうでない方もいらっしゃるので、そうでない方は参考に読んでいただけたらと思います。
実は2部練習にするというのも練習頻度を増やすことになります。冒頭の定義でもお伝えさせていただきましたが、週7日でもし全て2部練習すると14回練習することになります。
そもそも2部練習にする意味ですが、目的によって異なるのですが、本練習と補助練習と分ける考え方もあります。例えば午前にインターバルの本練習をして、午後に10km軽く走るといった感じです。
もう一つは、練習を分割するという考え方です。1回で20km走りたいけど、質もある程度維持したいという考えや、1回で20kmだと負荷が大きすぎるから負荷を分割するという意味で2部練習にするといった考えです。午前10km、午後10kmといった感じです。
これは消えた天才というテレビ番組でも取り上げられたことのある、京大生で日の丸を背負ったことのある平井健太郎さんという方がいらっしゃるのですが、冬に全国高校駅伝を終えて、京都大学受験のため、4月の入学まで一切走らなかったようです。大学に合格し、これまで一切トレーニングをしていなかったのですが、そこから走り始め7月の大会では5000m3位に入るという凄い方なのですが、その4月から7月までやったことが、まさに練習頻度を増やして、この2部練習を活用したとのことです。
駅から京都大学までの約10kmを、リュックを背負って走るという通学ランの往復を中心に練習されたとおっしゃられておりました。
このように今まで受験勉強で走れていなかったので、全国高校駅伝を走るような選手でもいきなり負荷を上げることはできないので、午前10km、午後10kmという2部練習に分割して連取頻度を増やすところから始められたということです。
何をお伝えしたいかといいますと、このように1回では刺激が強すぎるので、刺激が強すぎない練習に分割し、練習頻度を増やしていくだけでも全然走れるようになるという実践例があるということです。
6 最後に
ここまで読んでいただき、長距離走・マラソンが速くなる為にはまずは、練習頻度を増やすことが重要だとご理解いただけたと思います。
一回一回の練習で追い込みきり、そのあとは、2日間完全休養か刺激が弱すぎる練習よりも、練習頻度を増やして、毎日できるような刺激を体に与え続ける方が、体はそのトレーニング刺激に適応して走力は向上してきます。
また市民ランナーさん全員には参考にならないかもしれませんが、上記観点から2部練習も有効であるということをお伝えさせていただきました。
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著者である池上秀志は、プロランナーとして自分の脚で稼ぎ生計を立てるべく、世界の一流指導者、一流選手の元に直接行って指導を仰ぐため、ケニア、ニュージーランド、ドイツ、オーストリアなど海外を単身で飛び回ってマラソンが速くなる真理を追求しました。
さらに洋書・和書問わず数百冊の本を読み込み、膨大な知識を身につけました。その結果として辿り着いた、トレーニングをする上で絶対に万人に当てはまるとある法則をこの本で語ってくれています。私自身、マラソンが3時間16分から2時間32分まで短縮できていますが、その経験からも本書は長距離走・マラソンが速くなる方法の本質を突いた本だと確信しています。
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