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一人でインターバルトレーニングができない市民ランナーさんに緊急案内!一人でも出来るおススメのスピードを練習こっそり教えます

こんにちは!

 

ウェルビーイング株式会社榮井です。

 

突然ですが、あなたは現在インターバルトレーニングをしていますか。または、まだインターバルトレーニングをしたことがない、とかでしょうか。

 

僕もランニングを始めた頃は、インターバルトレーニングをしておりませんでした。理由はキツそう、自分にはできない、といったインターバルトレーニングに対しての恐怖心や不安感があったからです。

 

 そして、そもそもやり方がよく分からないし、できる場所がありません。陸上競技場(トラック)だと1周400mと分かりやすいので簡単ですが、なかなか普段競技場に行くことがない市民ランナーからしたら、インターバルトレーニングをするまでのハードルが高かったりしないでしょうか。

 

 またインターバルトレーニングというと、一人ではできず、練習会とかに参加して心肺を限界まで追い込む練習というイメージがないでしょうか。

 

 ここまであえてスピードトレーニングと書かずに、インターバルトレーニングと記載しておりました。

 

インターバルトレーニングという言葉だけで拒否反応が出てしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実は他のやり方でインターバルトレーニングと同様のトレーニング効果を得られる練習があるのです。それも我々市民ランナーのように、一人で練習する人でもやりやすいトレーニングです。

 

もし、マラソンを始められてまだインターバルトレーニングをしたことがない人は、このブログ記事を読んでインターバルトレーニングと同様の効果を得られるトレーニングを実施することで劇的にタイムが向上するかもしれません。

 

なぜなら、マラソントレーニングにおいて、料理に例えるならば、素材と調味料があった場合、インターバルトレーニングは調味料にあたるからです。もちろん大前提としてマラソントレーニングの基礎は、有酸素的な能力がベースになってきます。つまり、料理でいうところの素材の部分です。

 

そこで良い素材を上手く料理していくことによって、おいしい食事というものが出来上がります。同じような素材を使っていても調味料次第で料理のおいしさは変わってきますよね。具体的には何も調味料のないサラダを食べるよりも、調味料としてハーブや、岩塩とオリーブオイルをかけて食べるサラダのおいしさは全然違いますよね。

つまり、優れた有酸素ベース(素材)を土台に、インターバルトレーニング(調味料)をすることで、レース結果は変わってくるのです。

 

まずはインターバルというトレーニングの始まりの歴史的背景から見ていきましょう。パーヴォ・ヌルミという選手はご存じでしょうか。彼は、1920年代に9個もの金メダルを獲得したフィンランドの中距離ランナーです。当時は、フィンランドやノルウェーが強かったのです。

 

彼らは、「ファルトレク」というトレーニングをしておりました。

 

ファルトレクとは、語源はスカンジナビア語で「ファルト(スピード)」「レク(遊び)」という意味で、スカンジナビア半島の子どもたちが、ペースを上げたり、下げたりして遊ぶことからできたようです。これをトレーニングにすると、1分速く走って、1分ゆっくりというのを20~25セット、3分速く走って、1分ゆっくりというのを10セットのようになります。

 

 パーヴォ・ヌルミ選手は、ファルトレクというトレーニングをして速くなりました。

 

 時代が進み1950年代、東西冷戦時代に東ドイツ・ソ連の東側諸国の生理学者たちが研究し「インターバルトレーニングという疾走と休憩を繰り返すトレーニングは有効だ」と気づきました。

 

 ソ連のウラジミール・クーツ選手、チェコスロバキアのエミール・ザトペック選手がインターバルトレーニングを導入し速くなりました。

 

 エミール・ザトペック選手は、1948年ロンドンオリンピックの10000m、1952年ヘルシンキオリンピックの5000m・10000m・マラソンで金メダル三冠を達成した凄い選手です。「400mのインターバルを100本」やっていたという有名な話もあります。

 

1950年代はインターバル全盛期といわれ、インターバルトレーニングばかり行うようになりました。それに警鐘をならしたのがアーサー・リディア―ドコーチです。

 

 リディア―ドコーチは、やりすぎたインターバルトレーニングを否定しているだけで、インターバルトレーニングの有効性を認めております。厳密な定義でいけば、レペティショントレーニングといったほうがいいかもしれません。

 

 そこで現代では、インターバルトレーニングは有効であるが、やりすぎは良くない。最大週2回まで。週に1回で十分だ。という結論に至っております。

 

 インターバルトレーニングの歴史的背景を説明させていただきましたが、歴史的にもインターバルトレーニングは有効だということが分かりました。

 

 では、具体的にインターバルトレーニングをする2つの目的を解説していきます。

 

1 神経筋の向上

 まず人間の筋肉は、一本一本独立して動くことはできません。脳(中枢神経)から運動神経を伝って電気信号に乗じて指令が伝達され、約300本ぐらい束になっている筋繊維を動かしております。この運動神経に電気信号が流れると、この約300本の筋繊維が全て収縮します。全か無かの法則に従っており、1本だけとか 50 本だけ収縮させるということはできません。この1本の運動神経に連なる約300本の筋繊維の束のことを運動単位と言います。

 

 ところで、皆さんは男子100mで大活躍している桐生さんのふくらはぎの筋繊維はレース中どのくらい収縮していると思いますか?あの引き締まった美しい筋肉を見るとほとんどの人が全ての筋繊維が収縮していると思われるかもしれません。しかし、実際に収縮しているのは3分の2程度です。トップスプリンターですらその程度の割合ですので、一般人はいくら全力で走っているつもりでも半分の筋繊維も収縮していないと思います。

 

マラソンの場合は、トップランナーで40%程度と言われております。ここで重要なことは、人間は運動単位を交互(交代)で使っているということです。マラソン走っているときに、ずっと同じ運動単位40%使っているわけではないのです。途中交代したりして運動単位を交互に使っております。

 

上記内容を踏まえ、インターバルトレーニングをして神経筋(運動単位)を鍛えるメリットとしては以下の通りです。

 

マラソンレースペースが40%だと仮定すると、50%や55%のスピード練習することで、マラソンレースペースが経済的(レースペースが楽)になります。

 

 これは実践的観点から考えるほうがイメージしやすいと思います。マラソンレースペースばかり練習していてもマラソンレースペースは楽に感じられないですよね。例えばですが、3000m~10000mのレースペースぐらいのインターバルトレーニングをすれば、マラソンレースペースという動きに余裕が出てきてそのペースを楽に感じることができます。

 

2有酸素能力の向上(最大酸素摂取量の向上)

 長距離走(5000mからマラソンまでのすべての競技)において、最大酸素摂取量は非常に重要な一つの要素となります。

 

最大酸素摂取量とは、体の中で単位時間あたりに酸素を使ってどれだけ多くのエネルギーを生み出すことができるかを表す指標です。

 

人間には、酸素を使ってエネルギーを生み出す代謝と、酸素を使わずにエネルギーを生み出す代謝があります。

 

インターバルトレーニングといっても、実戦練習として、5000mのレースに向けて、1000m×5本の練習や、10000mのレースに向けて1000m×10本のような練習は、酸素を使ってエネルギーを生み出す代謝が非常に重要な運動となります。ハーフマラソン、マラソンに向けての実戦練習としてのインターバルトレーニングも当然、酸素を使ってエネルギーを生み出す代謝が非常に重要な運動となります。つまり、心肺機能の強化を目的としております。

 

インターバルトレーニングをすることの目的として、1 神経筋の向上、2有酸素能力の向上(最大酸素摂取量の向上)があります。

 

 つまり、上記の1と2の目的が達成できればいいんです。

 

冒頭に書かせていただきました、「インターバルトレーニングという言葉だけで拒否反応が出てしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実は他のやり方でインターバルトレーニングと同様のトレーニング効果を得られる練習があるのです。」について、お伝えしていきます。

 

 そのインターバルトレーニングと同様のトレーニング効果のある練習とは、「ファルトレク」というトレーニングです。実はすでに、インターバルトレーニングの歴史的背景の説明のところで出てきておりました。

 

 なぜ僕がここまで読者皆様にインターバルではなく、ファルトレクをおすすめするのかと言いますと、①僕自身継続して練習メニューに取り入れることができているから。②市民ランナーにとって非常にやりやすいメニューだから、です。

 

そして、ファルトレクというトレーニングを継続していると、自然とインターバルトレーニングへも移行しやすいという実体験があります。

 

まず、ファルトレクは距離ではなく時間で管理します。繰り返しになりますが、1分速く走って、1分ゆっくりというのを20~25セット、3分速く走って、1分ゆっくりというのを10セットのようになります。

 

ファルトレク20×1‘/1’

ファルトレク10×3‘/1’30’’

と練習日誌には記載します。

 

距離ではなく時間にすることで何がいいのかというと、当然トラックのように距離が分かる場所に行く必要がないです。ガーミンやカロスといったGPS時計で距離が計測できるといっても、200mや400mだとどうしても数メートルの誤差が出てくると思います。

 

また逆にGPS時計で、設定もできるので音が鳴るまで走って、音が鳴るまでゆっくりジョギングや休息をするだけでOKです。

 

つまり、1本1本タイムを気にしなくていいんです。大切なところなのでもう一度言います。

 

タイムを気にしなくていいんです。

 

400mを〇〇秒でという設定だと、余裕のある設定だといいですが、余裕がないとフォームが力んでしまいますし、そもそも自分の体では無理なタイムなのかもしれません。それでできないとやはり自信もなくなってしまいます。

 

 僕が20×1‘/1’のトレーニングするときは、疾走区間(速く走る区間)は、だいたい5000mのレースを走るイメージで。といったように主観的強度を大切にして走ります。そうすることで、フォームも自然とリラックスして走れます。

 

 それでも5000mのレースペースをイメージして20本走るので、効果としては当然マラソンレースペースより速く走っているので、ショートインターバルに近い刺激はかけられています。

 

 なので、1 神経筋の向上という目的は果たせています。

 

また、10×3‘/1’30‘’のトレーニングするときは、10000mやハーフマラソンのレースペースをイメージして走ります。2有酸素能力の向上(最大酸素摂取量の向上)という目的を果たせています。

 

僕は普段早朝に、久宝寺緑地(大阪の八尾にあります)まで行って練習しております。距離表示もあるのですが、やっぱり数メートル合わないときがあります。

 

早朝で今の時期のように涼しく、そして寒くなってくるとなかなか体も動かないですし、パーカーのようなウェアを着たまま練習するという方も多いと思います。トラック競技場のように、荷物を置けたらいいんですけどね。

 

以上のように、ファルトレクは色々とストレスと言いますか、その練習する前の準備等もそこまで負担にはなりません。つまり、継続しやすいということです。

 

話が戻りますが、ファルトレクをしていると、レースが近づいて体ができてきた時とかに、なぜか自然とタイム計ってみたいなという気持ちになってきます。自然とインターバルトレーニングへ移行しやすくなります。

 

また、今までやってきたファルトレクのタイムから、だいたいのタイムが自分自身分わかってくると思いますので、正しい設定タイムも設けやすくなると思います。

 

 僕自身、3時間16分からどうやって3時間切り(サブ3)をするかと悩んでいた時に、①総走行距離を増やし(低強度走の量の増)、②ファルトレクでマラソンレースペースより速く走る練習を継続的に実施した。ことで、たった1年で2時間33分までタイムを向上させることができました。

 

 最初に戻りますが、あくまでインターバル(ファルトレク)は、料理でいう調味料部分になります。

 

優れた有酸素ベース(素材)を土台に、インターバルトレーニング(調味料)をすることで、レース結果は変わってくるのです。

 

 全くインターバルやファルトレクをしたことがない方は、是非一度取り組んでみてください。ポイントはリラックスして、そして継続的に取り組むことです。そのためには、やりたくないと思うぐらいキツイ練習になると継続できないので、マラソンレースペースより速く走れたらそれでOKという気持ちで初めはやってみてください。きっとファルトレクに病みつきになると思います。

 

 今回のブログがあなたの記録向上に少しでも役立つことができれば幸いです。

 

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

© 2020 by ウェルビーイング株式会社

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