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マラソンサブ3からサブエガを目指している方必見!トップランナーの90%から95%の練習はレースペースより遅いという真実

更新日:12月8日

突然ですが、あなたはプロランナーや実業団選手の練習の90%から95%はレースペースより遅い練習をしているって知っていましたか?

 

 そんなわけないだろう!全力で心肺を追いこむインターバルトレーニングやレースペースよりも速いペースでのペース走、目標とするレースペースで30kmや40kmをガンガンやらないと結果は残せないに決まっているだろ!と思っていませんか?

 

 実は、私もそう思っていました。実際にトップランナーといわれるプロランナーの方や、実業団選手もインターバルトレーニング、ペース走(テンポ走)や距離走と追い込むトレーニングをされています。

 

 しかし、そんなトップレベルの選手でも、実際にはマラソンレースペースより速いペースでの練習は全体の走行距離で見た場合、5%から10%の間と言われております。

 

 トップレベルの選手であれば、月間800km~1000kmぐらい走っていると思います。

 

 月間走行距離が1000kmだとすると、それの5%~10%は50km~100kmです。

 

サブ3を目指している方であれば月間走行距離は200kmから400kmぐらいが平均でしょうか。

 

間をとって300kmとした場合、5%から10%は、15km~30kmになります。

 

 逆の言い方をすると、残りの90%から95%は何をしているのかということですが、レースペースより遅いペースでの練習になります。

 

 色々な選手の統計をしてみると、およそ最大心拍数の70%から80%ぐらいの強度での練習量が一番多いようです。

 

 少しイメージしにくいかもしれませんので、具体例あげて考えてみましょう。

 

 例えばあなたの最大心拍数が180としましょう。

 

最大心拍数は5000mから1500mのレースを全力で走ることでだいたいその値が得られます。あるいはだいたい1000m5本を1分休息で5000mのレースペースで実施し、最後の1本はラストスパートをかければ、だいたいのその時の最大心拍数があなたの最大心拍数と考えて良いでしょう。

 

 話を元に戻すと、あなたの最大心拍数が仮に180だとすると、最大心拍数180の70%から80%は126から144になります。

 

 ほとんどの市民ランナーさんはガーミンやカロスから出ているGPS時計をお持ちかと思います。光学式ではありますが心拍数も計測できるかと思います。

 

 どうでしょうか。70%から80%の心拍での強度のランニングってけっこう楽だと思いませんか?

 

 例えば、週に3回から4回走られている方で、毎回10kmを目標とするレースペースまたはそれより速いペースでタイムトライアルのようなトレーニングされていませんか。

 

 実は週に3、4回毎回10kmタイムトライアルをしていたのは私です。

 

 3時間16分までは記録が伸びましたが目標とするサブ3までどうしたら達成できるのかずっと悩んでおりました。

 

 毎回10km全力で追い込んでトレーニングしているのに、これ以上どう追い込んだらいいのか。

 

 そんな時に大阪マラソン日本人トップのプロコーチからアドバイスを受けることで、たった1年で3時間16分から2時間33分まで記録が劇的に伸びました。

 

 何をしたかというと、やっている時は気づかなかったのですが、今練習記録を見て振り返ると、総走行距離の90%から95%をマラソンレースペースより遅い練習であることが分かりました。

 

 もしあなたが努力しているのに、なかなかマラソンタイムが向上せず悩まれているのであれば、このブログを読んでいただくことで、必ずお役に立てると思っております。

 

 それでは私の実際の練習例などを参考に見ていきましょう。

 

 まず、私がずっとしていた練習は平日週に3~4回10kmタイムトライアル(全力走)たまに週末LSDをしておりました。

 

 LSDは最長3時間ぐらいしておりました。マラソンサブ3をするなら3時間走る体力が必要だと、どこかの情報を信じてやっておりました。

 

 実際3時間16分まで記録を伸ばすことができましたが、そこからタイムを上げるとなるとなかなかイメージができませんでした。

 

 なぜなら毎回やっている10kmのタイムトライアルのタイムが以前より向上していかないのです。

 

 10km40分切れたらサブ3できると思っておりましたが、ずっと42分とかでしか走れませんでした。

 

 そこで元プロランナーのコーチからアドバイスを受け、練習内容を見直すことになりました。

 

 具体的に何を見直したのか。順番に説明していきます。

 

1 走る頻度を増やした

  私は、週に3~4回が基本でしたが、週に6回走るようにしました。

 

2 練習量を増やした

  上記1の頻度を増やすことで自然と走る量も増やしていきました。

 

3 練習の強度の強弱をつけるようにした

  この3が一番今回お伝えしたい内容になります。私は、繰り返しになりますが週に3から4回の10kmタイムトライアル(全力走)が基本でした。こんな感じです。

 

 月 10kmタイムトライアル

 火 オフ

 水 10kmタイムトライアル

 木 オフ

 金 10kmタイムトライアル

 土 オフ

 日 3時間LSD

 

それが次のようになりました。

 

 月 オフ

 火 90分低強度

 水 60分低強度~中強度

 木 90分低強度

 金 60分中強度(たまに高強度)

 土 60分低強度

 日 120~150分低強度

 

ここで低強度、中強度そして高強度という言葉が出てきたので、その定義を説明させていただきます。

 

※低強度:主観的に楽なペース。

※中強度:主観的に楽でもなくキツくもないペース

※高強度:主観的にキツイペース

 

このように主観的な感覚で練習するようになりました。しかしこれではなかなかイメージがつかないと思いますので、心拍数で具体的な数字を参考ではありますが出すとこうなります。

 

 低強度というのは、最大心拍数の70%を上限とします。

 

中強度というのは、最大心拍数の80%前後とします。

 

高強度というのは、最大心拍数の85%以上とします。

 

これも心拍数を基準にした参考にしております。

 

ここで重要なことは、低強度が練習の90%ぐらいを占めているということです。この低強度走こそが、冒頭部分ででてきた心拍数70%から80%の練習です。

 

練習量としては、かなりボリュームが増えましたがそれでも主観的な強度としては以前の毎回10kmタイムトライアルしていた時より全然楽でした。

 

ペースでいうと低強度走は毎回5’30’’/km~5’00’’/kmぐらいのペースで中強度になってやっと4’30’’/kmとかです。

 

サブ3目指すなら4’15’’/kmの練習をもっと入れるべきだと不安になりそうですが、これで走力は十分向上していきました。

 

だんだんと体力がついてきた頃に、ファルトレクという練習を週に1回入れました。

 

ファルトレクとは、語源はスカンジナビア語で「ファルト(スピード)」「レク(遊び)」という意味で、スカンジナビア半島の子どもたちが、ペースを上げたり、下げたりして遊ぶことからできたようです。これをトレーニングにすると、1分速く走って、1分ゆっくりというのを20~25セット、3分速く走って、1分ゆっくりというのを10セットのようになります。

 

この練習を半年近く続けると、11月のオンラインマラソン(当時コロナのため)を2時間41分で走ることができました。

 

この時、私はとても驚きました。練習はほとんど低強度走。ファルトレクという練習でレースペースより速いトレーニングを週に1回しただけ。

 

まさに総走行距離の90%から95%は、レースペースより遅い練習でした。

 

ここから、ファルトレクから徐々にインターバルやペース走(テンポ走)、高強度な距離走といわゆるマラソン実戦練習のようなトレーニングを週に2回入れていきました。

 

そして翌年の3月のオンラインマラソン(コロナのため)を2時間33分で走ることができました。

 

もちろん、最終的に自分の持っている力を最大限出そうと思えば、実戦練習は必要です。

 

しかし、このような練習は毎回毎回できませんよね。むしろこの実戦練習をできるようにするために90%から95%はマラソンレースペースより遅い低強度走や中強度走で体をつくっていきます。

 

ここまでは私の練習例をご紹介させていただきましたが、なぜこの低強度走でこれほど速くなるのかを説明していきたいと思います。

 

改めて低強度走の定義は、「主観的に楽だと感じる強度」です。

 

低強度走の目的は、トレーニングから回復すること、そして少しだけトレーニング刺激を入れること。つまり、回復しながら強くなれるトレーニングなのです。

 

そして低強度走は簡単に量を増やすことができます。なぜ、低強度走で距離を増やすことがいいのか。

 

それは、疲れにくい身体と故障しにくい身体を作ることができるからです。実戦練習のような高強度のトレーニングは、どうしても体への負担が大きく基礎体力をつくる必要があります。

 

走行距離が増えることで、接地する回数が増えます。よって、筋肉、靭帯、腱、骨の耐久性が上がります

 

更に総走行距離が増えることで、毛細血管密度の向上、ミトコンドリアの数の増加及び機能が向上します。

 

血管の数が増えることは何がいいのかというと、血液は栄養を運んだり、老廃物を除去します。血管の数が増えるとそれだけ全身に隈なく栄養素がいきわたります。

 

よって、体の回復が速くなるのでリカバリーが促進されます。

 

ミトコンドリアの数の増加及び機能の向上については、エネルギー量が増えるということです。トレーニング刺激に対し身体が適応するのにもエネルギーが必要です。つまり、トレーニング刺激に対し適応しやすくなるということです。

 

最後に心筋の向上にも低強度走は効果があります。

 

心拍数だけでなく1回拍出量も重要であります。心臓が1回でどれだけ血液を送り出すことができるかを「1回最大拍出量」といいます。

 

この心臓の筋肉を鍛える最もいい方法が低強度走です。理由は1回最大拍出量は最大心拍数の60%の強度で到達すると言われているからです。

 

よって低強度走で十分に心筋を鍛えることができます。

 

ここまで、私の実際の練習例そして、低強度走の効果を説明してきました。

 

インターバルトレーニングやペース走(テンポ走)そして、レースペースに近い30kmや40km。

 

このようなトレーニングも重要であることは間違いありませんが、先ほどご紹介した低強度走のような練習を積み上げるだけでタイムは向上していきます。

 

そして私の経験上、走ることが嫌にならないので長期で継続することができます。

 

今回は、努力=追い込んだ練習、それをしないと目標タイムで走れないといった考えが少しでも変わるきっかけになれば幸いです。

 

 最後に、マラソンサブ3からサブ2.5を目指している方にお知らせです。本ブログにでてきた、私がアドバイスを受けた元プロランナーのコーチとは、弊社ウェルビーイング株式会社代表の池上秀志のことです。

 

 池上は京都府亀岡市の出身で亀岡中学校時代には都道府県対抗男子駅伝に京都府代表として出場し、区間賞を獲得、高校は名実ともに日本一の陸上競技部である洛南高校に在籍し、京都府高校駅伝は3年連続区間賞で優勝、全国高校駅伝も三年連続で出場しました。

 

 大学では入学早々、京都インカレの10000m、関西インカレの10000mとハーフマラソンを制し、西日本インカレの5000mと10000mでは2位に入るも、陸上競技部の運営方針と合わずに退部、帰宅部としてハーフマラソンを63分09秒で走りました。大学時代は陸上部時代も帰宅部時代も自分一人で自分の練習を考えて練習しており、その時の経験も踏まえて現在はアマチュアランナーさんの指導にあたっております。

 

 大学卒業後はプロランナーになり、大阪マラソン2017では日本人トップの2位になったり、ケアンズマラソンを制したりするも、思うような成績が残せず、スポンサーを失い、2020年に「オンラインに存在するランナーの為の日本一の学び場」をスローガンにわが社ウェルビーイング株式会社を創設しました。アマチュアランナーさんの目標達成やお悩み解決のサポートをしており、過去5年間でのべ1万人以上が彼の有料のオンラインスクールや書籍を利用しています。

 

 現在私は、池上と弊社ウェルビーイング株式会社で一緒にお仕事させていただいておりますが、元顧客でもあります。

 

そんな元顧客として、ご紹介したい有料講義等たくさんあるのですが、いきなり有料の商品に手を出すには非常に抵抗があるかと思います。そこで池上が書いた書籍『マラソンサブ3からサブ2.5の為のトレーニング』(3000円)の原稿データをPDFファイルで無料でプレゼントさせて頂いております。

 

こちらの書籍は、マラソンを運動生理学、一流選手のマラソントレーニング、過去110年間のマラソントレーニングの歴史について池上がプロ目線で解説されております。

 

また市民ランナー向けに池上が考えた20週間のトレーニングメニューをこれも解説付きで掲載されております。

 

 日本でサブ3からサブ2.5の為のトレーニング(女性の場合は3時間15分から2時間45分)についてここまで詳しく的確に書いている本は今のところないと言って良いでしょう。こちらの本はエリート市民ランナーになりたい市民ランナーの方にとって絶対に持っていて損がない書籍であります。

 

是非こちらをクリックしてお受け取り下さい。

 
 
 

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

© 2020 by ウェルビーイング株式会社

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